株価市場最高値更新!でも景気が良くならないのはなぜ?

2025年、株式市場は連日史上最高値を更新しています。ニュースでは「景気回復」や「企業業績の好調」が強調されますが、私たちの生活実感として「景気が良くなった」と感じる人は少ないのではないでしょうか。

なぜ株価は上がっているのに、景気の実感が伴わないのでしょうか?その理由を解説します。


1. 株価は“未来の期待”を映すもの

株価は、今の経済状況だけでなく「将来の利益をどれだけ期待できるか」で決まります。
たとえば、ITやAI関連企業が将来大きな成長を見込めるとなれば、実際の業績がまだ小さくても株価は大きく上がります。
つまり、株価は“先取りされた期待”であり、必ずしも現在の生活や景気感と一致しないのです。


2. 金融緩和とマネーの行き先

中央銀行の低金利政策や金融緩和によって市場には大量のお金が流れ込みます。
しかし、そのお金が企業の設備投資や給与の増加に回るのではなく、株式や不動産など資産市場に集中すると、株価だけが上がり、生活者の実感にはつながりません。


3. 大企業と中小企業の“温度差”

株価が大きく動くのは主に上場している大企業です。輸出企業やグローバル企業は円安や海外需要を追い風に利益を伸ばしますが、一方で中小企業や地方経済はコスト増や人手不足に苦しんでいます。
この格差が「株価は好調、でも景気は実感できない」という状況を生み出しています。


4. 賃金の伸びが追いつかない

株価が上がっても、それが家計に届くには時間がかかります。
企業が利益を出しても、まずは株主への配当や自社株買いに使われるケースが多く、従業員の賃金や雇用条件改善に反映されるまでには“ラグ(時間差)”があります。

さらに、賃上げが進んでいるとはいえ物価高に追いついていません。
2023年の速報では実質賃金は前年比2.5%減少し、実質消費指数もマイナスとなりました。
家計の購買力はむしろ低下しています。
この結果として「株価だけが独り歩き」しているように見えてしまうのです。


5. 消費者心理の冷え込み

物価高や社会保障の不安もあり、家計は「節約志向」を強めています。
株価が上がっても「将来の生活が安心」と感じられなければ、消費は伸びず、景気回復の実感は得られません。


まとめ

株価は「将来の期待」であり、「今の生活実感」とは必ずしも一致しません。
株価が過去最高を更新しても、

  • 賃金が物価に追いつかず実質賃金が減少
  • 中小企業が苦しい
  • 物価上昇で消費が冷え込む
    といった要因から、私たちが「景気が良い」と感じられないのです。

つまり、株価は“経済の一部の鏡”にすぎません。生活者にとって景気回復を実感できるのは、給与や雇用、地域経済が改善してこそ。今後は「株高の恩恵をどう生活へ循環させるか」が大きな課題となっています。


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