防府市で空き家を放置するとどうなる?7つのリスクと対策

防府市に、誰も住んでいない実家や、今は使っていない家はありませんか。

「古い家だから、売っても大した金額にはならない」

「遠方に住んでいて、なかなか見に行けない」

「家族で話がまとまってから考えればいい」

こうして対応を先送りしている間にも、空き家は少しずつ傷みます。最初は軽い修繕で使えた建物でも、時間がたつほど管理の手間や修繕費が増え、売却・賃貸・活用・解体といった選択肢が狭くなることがあります。

この記事の結論
  • 防府市の2024年度(令和6年度)調査では、「空き家と思われる建物」が2,587戸確認されています。
  • そのうち2,124戸は「A:再利用が可能」と評価されていますが、これは敷地外からの外観目視による評価です。
  • 空き家を放置すると、劣化・不法侵入・近隣トラブル・損害賠償・固定資産税等の特例除外・行政代執行などにつながる可能性があります。
  • 将来の方針が決まっていなくても、まず状態を確認し、適切に管理することが重要です。
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空き家を放置するとどうなる?7つのリスク

劣化や近隣トラブル、固定資産税への影響、行政代執行など、空き家を放置した場合に起こり得ることを漫画形式でまとめています。

防府市では「空き家と思われる建物」が2,587戸

防府市が2024年度(令和6年度)に行った空き家実態調査では、市内で「空き家と思われる建物」が2,587戸確認されました。2019年度(令和元年度)の2,372戸から215戸増えています。

調査項目戸数
空き家と思われる建物2,587戸
A:再利用が可能2,124戸
2019年度からの増加215戸

危険度別では2,124戸が最も状態のよい「A:再利用が可能」に分類されています。状態のよい空き家が多く残っていることは、早い段階であれば活用や流通を検討できる可能性があることを示しています。

A評価=「そのまま住める」ではありません

防府市の実態調査は、調査員が敷地外から外観を目視して行ったものです。A評価でも、建物内部、雨漏り、設備、耐震性、権利関係、接道、境界などは別途確認が必要です。

参考:防府市「第3次防府市空家等対策計画」

空き家はなぜ放置されるのか

空き家は、最初から「放置しよう」と思って放置されるとは限りません。相続や遠方居住、家財整理など、日常的な事情が重なって管理が後回しになることがあります。

  • 相続したものの、自分や家族が住む予定がない
  • 古い家なので価値がないと思っている
  • 遠方に住んでいて現地へ行きにくい
  • 相続人や家族の間で方針が決まっていない
  • 家財や仏壇の片付けが進んでいない
  • 将来使うかもしれないため、とりあえず残している

防府市の所有者意向調査では、空き家を所有していると回答した760人のうち、取得理由が「相続」だった人は75.4%でした。さらに、管理主体について「誰も管理していない」とした回答も86件あります。

空き家問題で注意したいのは、「価値が低いから管理しない」のではなく、管理しないことで使えたはずの価値まで失ってしまうことがある点です。

「負動産」へ変わる悪循環

価値が低いと思い、関心が薄れる
現地確認・換気・草刈りなどが減る
雨漏り・腐食・害虫などの発見が遅れる
修繕や片付けに必要な費用が増える
売却・活用の選択肢まで狭くなる

空き家を放置する7つのリスク

1.建物の劣化雨漏り・湿気・腐食・シロアリなどの異変を発見しにくくなり、資産価値低下につながります。
2.不法侵入・不法投棄管理されていないことが外から分かると、防犯・衛生上の問題が起こりやすくなります。
3.近隣トラブル雑草、越境枝、落ち葉、害虫、悪臭など、小さな問題から近隣との関係が悪化することがあります。
4.損害賠償屋根材・外壁・塀・樹木などが第三者へ損害を与えれば、所有者等の責任が問題になる可能性があります。
5.住宅用地特例への影響管理不全空家等・特定空家等として勧告を受けると、固定資産税等の住宅用地特例から外れる可能性があります。
6.行政代執行特定空家等について必要な措置を行わない場合、要件を満たすと行政代執行等に至ることがあります。
7.売却・活用機会の減少建物の傷み、家財、相続登記、共有関係などが重なるほど、処分や活用の手続は進めにくくなります。

1.人が住まない家は、異変の発見が遅れやすい

人が住んでいない家では、換気や通水が減るだけでなく、雨漏り・屋根の破損・設備の異常などを発見する機会そのものが減ります。

国土交通省も、空き家を放置すると資産価値が低下し、売買等が困難になるほか、倒壊・外壁落下・害虫・悪臭・不法侵入などのリスクがあると案内しています。

2.「誰も見ていない家」と思われると防犯面でも不利

郵便受けにチラシがたまっている、雑草が伸びている、窓が割れたままといった状態は、長期間人が来ていないことを外部へ示してしまいます。

不法投棄されたごみについて投棄者を特定できない場合、撤去や清掃を所有者側で対応しなければならないケースもあります。

3.近隣トラブルは「倒壊する前」から始まる

  • 庭木が隣地や道路へ伸びている
  • 落ち葉が隣家の敷地や雨どいへ入る
  • ハチ・ねずみ・害虫などが発生する
  • ごみ・動物のふん尿等による臭いが出る
  • 外壁・屋根・塀の破損が周囲へ不安を与える

所有者が遠方に住んでいる事情があっても、近隣で発生している影響は続きます。小さな異常のうちに確認することが重要です。

4.事故が起きると損害賠償責任が問題になることも

屋根材や外壁の飛散、塀の倒壊、倒木などによって隣家・車・通行人へ損害を与えた場合、建物や土地の状態、事故の原因などによって所有者等の損害賠償責任が問題になる可能性があります。

防府市も、屋根瓦・外壁・塀・樹木等により他人へ損害を与えた場合、損害賠償を請求されることがあるとして、定期点検と適切な管理を呼びかけています。

空き家について資料を確認するバクガとキャラクターたちのイラスト
あわせて読みたい管理不全空家と特定空家の違い|固定資産税・行政代執行まで解説空家法上の「管理不全空家等」「特定空家等」の違いと、行政による措置を詳しく整理しています。

5.管理不全空家等として勧告されると、住宅用地特例に影響

適切な管理が行われておらず、そのまま放置すれば「特定空家等」になるおそれがある空き家は、自治体から「管理不全空家等」として指導を受ける場合があります。

指導後も改善されず勧告を受けると、その敷地は固定資産税等の住宅用地特例の対象から外れる可能性があります。

「固定資産税が必ず6倍」は正確ではありません

小規模住宅用地の固定資産税の課税標準が6分の1となる特例が外れることから「6倍」と表現されることがありますが、実際の納税額全体がそのまま6倍になるわけではありません。土地の評価額や負担調整措置などによって実際の税額は異なります。

あわせて読みたい「空き家税」は全国に広がる?防府市の空き家所有者が知っておきたい税金とリスク空き家と固定資産税、新しい自治体独自課税の動きをまとめています。

6.行政代執行は「無料で解体してくれる制度」ではない

周辺へ著しい悪影響を及ぼす「特定空家等」について、所有者等が必要な措置を行わない場合、法令上の要件を満たせば行政代執行等へ進むことがあります。

助言・指導
勧告
命令
行政代執行等

行政代執行は「市が税金で無料解体してくれる制度」ではありません。行政が所有者等に代わって必要な措置を行った場合、その費用は原則として所有者等から徴収されます。

また、危険が切迫し、通常の命令手続をとる時間的余裕がない場合には、一定の要件のもとで緊急代執行が行われることもあります。

解体費用が負担だからと放置していると、結果として自分で業者・時期・方法を選びにくい状態で費用負担だけが残る可能性があります。

7.「まだ使えるうち」が選択肢の多い時期

所有者自身が価値を感じていない古い家でも、建物を改修して使いたい人、土地として検討したい人、倉庫・事務所・工房など別用途で使いたい人がいる場合があります。

ただし、建物の老朽化、相続登記未了、共有者との調整、家財整理などが重なるほど、実際に動き出すまでのハードルは高くなります。

関連情報中古住宅を売買する前に確認したいポイント建物・土地の状態を確認するときに押さえておきたい基本項目をまとめています。

空き家を放置しないための3つの選択肢

1.当面は管理するまだ方針を決められないなら、状態を悪化させないための巡回・草刈り・換気・通水などを行います。
2.売却を検討する今後使う予定がない場合は、宅地建物取引業者などへ相談し、売却可能性や必要費用を確認する方法があります。
3.賃貸・活用を検討する住宅だけでなく、立地や建物の状態によっては事業・倉庫等への活用可能性もあります。

当面は管理する場合

  • 外観・屋根・雨どい・塀・庭木を定期的に確認する
  • 室内を換気する
  • 通水・排水口の封水を確認する
  • 郵便物やチラシを回収する
  • 草刈り・越境枝の確認を行う
  • 異常があれば写真に残す
  • 台風や大雨の後はできるだけ早く確認する

防府市も、自分で管理できない場合には業者等へ委託するなど、適切な管理を行うよう案内しています。

売却・活用を考える場合

登録前の当サイトでは、不動産の売買・賃貸の仲介業務は行っていません。売却や賃貸について具体的に検討する場合は、宅地建物取引業者や防府市の相談窓口などへ確認してください。

防府市では、空き家バンクのほか、売却意向のある所有者と宅建業者との媒介契約を促す「空き家情報窓口閲覧制度」、空き家無料相談などが案内されています。

防府市の空き家総合窓口:都市計画課 空き家対策室では、空き家に関する相談を一元的に受け付け、必要に応じて担当部署や専門業者等へ引き継いでいます。

まずは5分で確認したい空き家チェックリスト

次の項目に一つでも当てはまる場合は、売却や解体を決める前に、まず現在の状態を確認しておくことをおすすめします。

  • 半年以上、建物や敷地を確認していない
  • 台風や大雨の後に屋根・外壁を確認していない
  • 郵便受けにチラシがたまっている可能性がある
  • 庭木・雑草・越境枝の状態が分からない
  • 火災保険等の契約内容を確認していない
  • 登記名義が亡くなった家族のままになっている
  • 相続人・家族と今後の方針を話していない
  • 家財や仏壇が残り、片付けが止まっている
  • 維持費が年間いくらか分からない
  • 「いつか考える」と思ったまま1年以上経っている

大切なのは、すぐ売ることでも、すぐ解体することでもありません。現在の状態と費用を把握したうえで、意識して「管理を続ける」という判断をすることです。

よくある質問

Q1.古い空き家でも使い道が残っていることはありますか?

あります。建物を修繕して使うケース、土地として利用するケース、隣地と一体で利用するケースなどがあります。ただし、建物の状態・立地・接道・境界・権利関係などによって異なるため、外観だけで判断しないことが重要です。

Q2.空き家にしただけで固定資産税が6倍になりますか?

いいえ。人が住んでいないというだけで直ちに税額が6倍になるわけではありません。管理不全空家等や特定空家等について勧告を受け、住宅用地特例の対象から外れた場合に土地部分の税負担が増える可能性があります。

Q3.行政代執行で解体された場合、費用は行政が負担しますか?

原則として所有者等の負担です。行政代執行は無料の解体制度ではなく、行政が必要な措置を代わりに行い、その費用を所有者等から徴収する仕組みです。

Q4.どうするか決まっていない場合、最初に何をすればよいですか?

まず現地の状態を確認し、写真を残しましょう。そのうえで、登記名義、管理にかかる費用、家族の意向などを整理し、必要に応じて防府市や各分野の専門家へ相談すると進めやすくなります。

防府市周辺の空き家管理に対応しています

遠方の実家や、定期的に見に行くことが難しい空き家について、バクガ総合事務所では巡回・外観確認・郵便物確認・換気・通水・草刈り等の空き家管理を行っています。

「今は売却や解体を決められないけれど、放置だけは避けたい」という段階でも、管理のみをご依頼いただけます。

まずは空き家の状態を維持するところから

月額5,000円から、巡回内容に応じて写真付きで状況をご報告します。所在地・敷地の広さ・必要な作業によって料金は異なります。

空き家管理サービスを見る

まとめ|空き家は「どうするか決めるまで」の管理が重要

空き家は、価値がないから問題になるのではありません。何もしない期間が長くなることで、建物の状態が悪化し、管理責任と費用が大きくなっていくことがあります。

将来売るのか、貸すのか、自分たちで使うのか、解体するのか。すぐに結論を出せないこともあります。

だからこそ、結論が出るまでの間も、定期的に状態を確認し、必要な管理を続けることが大切です。

執筆・編集:バクガ総合事務所 時繁 裕也山口県防府市を拠点に、空き家管理や暮らしに関わる制度情報を、公的資料を確認しながら分かりやすく発信しています。現時点では行政書士業務・宅地建物取引業としての受任や仲介は行っていません。
主な参考資料

記事内容の基準日:2026年9月2日

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。空き家の認定、行政上の措置、税額、損害賠償責任などは物件の状態や個別事情によって異なります。税務は税理士、登記は司法書士、紛争・法律判断は弁護士、不動産の売買・賃貸仲介は宅地建物取引業者など、内容に応じて適切な窓口へご確認ください。